自然食やサプリを工夫して与え、吐き戻しを改善
ハッピーとの出会いは、約4年前のことです。以前から犬を飼いたいと思っていたところ、たまたま近くの動物管理センターで開かれる仔犬の里親譲渡会のことを知り、主人が様子を見に行ったのです。
その時その場で「目が合って」引き寄せられるように譲り受けて連れて帰ってきたのが、生後3ヶ月になるハッピーでした。家に来た当初は、まるまるとして元気な仔犬に見えたハッピーでしたが、それから間もなく、時折くしゃみや鼻水が出ることが気になりはじめました。
そのうち、たびたび食べたものを吐き戻すようになり、病院では風邪との診断を受けました。抗生物質の注射を3本打ち、栄養の吸収がうまくいっていないからと、市販のフードから病院の勧める点滴の代わりにもなるという栄養価の高い医療食に切り替えましたが、吐き戻しはおさまりません。
ハッピーは、浮き出た肋骨が傍目からも分かるほどみるみる痩せていきました。なにしろ初めて迎える犬で、わからないことだらけです。私の不安はふくらむ一方で、セカンドオピニオンを得ようと他の病院で採血、エコー、レントゲンなどの検査を受けました。診断は肝機能障害と心臓肥大というもの。私たちはショックをかくしきれませんでした。
肝臓がつくりだす酵素自体が少なく消化吸収もうまくいかない、栄養が身体にいきわたらず、心臓もその分血液を送り出すのに懸命に働かなければならずに負担がかかった結果肥大してしまった、ということのようでした。
まだ1歳にも満たない仔犬だというのに、身体を作ることもままならず、体力も気力もないハッピーは疲れやすく、散歩の途中でもすぐに座り込み、家に帰ると倒れこむように横になっていました。「食べる」ことへの意欲すらあまり無いようで、食べても吐き出してしまうことが多く、食事の時は常にフードをやわらかくしたものを少しずつ口もとに運んであげなければなりませんでした。
眠っている時の呼吸も苦しげで、いつ息が止まってもおかしくないとハラハラするほど頼りないものでした。
ビッグウッドを知ったのはこの頃のことです。
成長期のハッピーにさまざまな薬を使うことにはどうしても抵抗があり、なんとか体力を取り戻させるための良い食事がないかとあちこちで尋ねていました。
そして、人が食べられるくらい安全なフードがあると教えてもらったことがきっかけで、すぐに華とスパミールを取り寄せました。 スパミールは、どうしても粒を口の横から出してしまいましたが、華をミキサーにかけて、粉末にしたものを水で練ってペースト状にしてやると食べやすくなったようでした。 そこで、その中に「元気な酵素・愛犬活力源・イースト・ケルプ」を入れ、一度に与える量を減らし1日の食事を4~5回に分けて与えるということを続けました。
この方法はハッピーには受け入れやすかったようで、吐き戻しもなくなり、食事回数も徐々に1日3回、そして2回にと、減らしていくことができました。そうして1年が過ぎるうち、ハッピーの身体は、少しずつ変わっていったのです。
「食事は口もとに運んでもらうもの」と理解してしまったようで、食事の仕方は相変わらず、私が「お運び」しなければならないものの、栄養がしっかりと吸収できるようになったのでしょう。鶏ガラのような痩せて骨ばった身体には、ほどよく肉がついて体重も増え、全体的にがっしりとしたからだが作られていきました。
運動の後、横になると小刻みに痙攣を起こすほど細く頼りなかった脚にも少しずつ筋肉がついてきました。 ところが、やっと普通の健康な犬になれたと喜んでいた矢先の一昨年10月、近くに住む大型犬に襲われ、お尻から太ももあたりにかけて噛みつかれるという事件が起きました。
それは皮膚がちぎれて肉が見えるほどの傷で、傷を縫い合わせ、抗生物質を1週間服用することになりました。その後無事回復に向かいましたが、ハッピーも、私たちのショックも大きなものでした。
やがて噛まれた傷もきれいになり、半年が過ぎた頃、新たな異変がありました。 ハッピーの鼻に、突然小さなイボが出来たのです。大豆くらいの大きさのイボは、あっという間に小指の先ほどの大きさになったことから、もしや悪性では、という不安がおしよせました。
細胞診に出すにも、手術で切除するにも、麻酔が必要となります。仔犬の頃、肝機能と心肥大があると言われたことが頭をよぎりましたが、ともかく血液検査とレントゲンで、前回とどれほど変わっているか、調べてみようということになりました。 そして検査の結果、嬉しいことが分かりました。
なんと、肝臓の数値がほぼ正常に、心臓は標準の大きさにもどっていたのです!なんとも不思議なことでしたが、「華」という、添加物なども一切使用しない安全な食事に早くから切り替えたことで、内臓への負担がやわらぎ、身体が正常に働けるようになって栄養がしっかりといきわたり、結果として心臓にも負荷がかからなくなったのでは、と思っています。
ハッピーの健康状態が、麻酔に対してもさほど心配する事は無いほど回復していることがわかったため、不安の種である腫瘍は切除してもらうことになりました。 そして手術が無事に終わり、病理検査に出したところ、腫瘍は良性であることも確認されました。私たちはやっと心から安堵することができたのです。 しかしその年の夏、またもや私たちを心配させる出来事がありました。ハッピーが、背中やお尻などをやたらと掻き毟る仕草をみせるようになったのです。
毛をかきわけると、皮膚はガサガサと乾燥しているのに、ところどころ、脂が浮いたようにべたつき、その皮脂と一緒にごそっと毛が抜けてきます。夏の蒸し暑さも悪条件となって痒がる頻度はさらに増し、その範囲も背中や右前脚のつけねなどに広がってきました。 脱毛は、このままでは全身毛がなくなってしまうのではというほど広範囲になりました。病院では脂漏性湿疹、との診断。なぜこの子はこんなに次々といくつものトラブルに見舞われるのかと不憫で仕方ありませんでした。
しかし、今までのことを冷静に思い起こすと、こんなことになったのも無理はないのかもしれない・・とも思いました。幼い頃から肝機能の弱さを抱え、やっと回復したところに大怪我、続いて腫瘍摘出のため全身麻酔・・もともと弱い個体であるうえに、そんな事態が重なり、抗生物質もたくさん投与されてきたわけです。ハッピーの身体にとってどれほど大きな負担であったことか。よその犬に襲われ、大怪我を負うという経験自体も、大変なストレスとなったことでしょう。今回の皮膚のトラブルは、今までの様々なことの積み重ねで、ハッピーの身体がSOSを訴えているのかもしれないのです。
私は、以前看護士をしていたことから、アトピーによる皮膚のトラブルを抱えた子供たちをたくさん見てきました。痒がる箇所に対して、それを抑えるための薬を投与するものの、抑え続けるために延々それを投与し続ける、そして内臓に負荷がかかり、またそれをやわらげるための薬を追加する・・そんな悪循環で問題がいっそう大きくなってしまうことに、違和感を覚えることも少なくありませんでした。
その経験から、西洋医学だけがすべてではない、誰にも自分自身でダメージを受けた体を治そうとする力があるはずだと、そのような考え方に基づいた東洋医学の本を何冊か読んだことがありました。 その当時のことを振り返り、私は、痒みに悩まされるハッピーに、どうしてあげることが一番良いのかと考え、生きていくことも危ぶまれるほど弱かったハッピーが食事を自然で安全なものに変えるだけで、みるみる元気な身体を取り戻すことができたことを思いました。
犬のことにはまだ自信が無いし分からないことばかりだけれど、人間と身体のつくりがそう違うわけじゃない。難しく考えず、同じようにとらえていいんじゃないか?何よりハッピーに、これ以上薬による負担をかけるのは嫌だ。この子の力を信じることで回復する道を探したい!私は、そう決意しました。
そして、相談窓口に問い合わせ、今までの経過を話し、被毛チェックによるホメオハーブ療法食を試してみることにしました。この頃のハッピーは、1日のほとんどを掻くことに費やすといってもいいほどでした。脚の届くところならどこでもいいから掻かずにはいられない、という様子で、そのたびに、「愛犬活力源」をこまめにパッティングしてやると、少しはましになるようでした。べたつきがひどい箇所には、オンリーワンシャンプーを使いました。
あまり頻繁にシャンプーすることで、皮膚にとって必要な皮脂までとりすぎてはいけないと、乾かした後はティートリーオイルをホホバオイルで希釈したものを擦り込んであげていました。
そんなケアを施しながら、療法食をあたえ初めてから3ヶ月が過ぎ、冬になる頃、少しずつ変化が見られるようになりました。身体を掻く範囲がだんだんと狭まり、ガサガサとカサつきながらも、ところどころべたついていた皮膚が、つるんとすべすべした普通の状態になってきたことが感じられました。それに従って、脱毛して剥げてしまっていた身体のあちこちに、新しい被毛が伸びてきたのです。そして、冬も終わろうとする今、ハッピーには痒がる様子はほとんどみられなくなり、身体全体がきれいな毛で覆われ、我が家は嬉しさと喜びに包まれています。
何かと心配事の多かった仔犬の頃から、私は毎日ハッピーに話しかけ、体中に触れ、いつもと違うところがないか、そのシグナルを見逃さないことを心がけるようにしていました。初めての犬ということで、まっさらな気持ちで迎えた子ですから、もし、初めから元気で何も問題のない子であれば、たまに薬を使うこともなんとも思わず、どうしたらこの子を守れるかと懸命になることもなかっただろう、と思います。
生き物として自然に備わった力を発揮する、その大切さを私たちに教えてくれたのは他でもない、ハッピーだったのかもしれません。1日の仕事を終えた私たちが、並んでぼんやりと休憩していると、ハッピーは、むりやり間に割り込んできて、窮屈な状態のままで、満足げな表情を浮かべています。そんな姿を見るだけで、仕事の疲れもすぅっと消えていくようです。
これからの私とハッピーの課題は、食事の際、食べ物をいちいち口元まで運んであげなくても、ひとりで器から食べられるようになることです。ヘンな目標ですが、自分で食べることもままならなかった以前の習慣が直せないまま今に至っているため、この子にとっては食べ物を誰かに口に運んでもらって初めて『食べる』行動に結びつくようにインプットされてしまったのか、なかなか軌道修正は手強いのです(笑)。
ハッピーはまだ4歳。これからも、私たちにはいろんなことが起きるかもしれません。けれど、ハッピーというその名前のとおり、いつもしあわせな、健やかな子でいられるよう、共に歩いていきたいと思っています。
※あくまでも個人の感想です。効能・効果を謳っているわけではありません。